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このサイトはシャツに関するすべての知識を得るサイトです。1954年に師である村田金兵衛による著書「ワイシャツ全書」をベースに現代版に改訂しました。もしあなたがシャツについてわからないことがあればこのサイトを巡れば答えに辿り着くことができるでしょう。現代社会ではフォーマルな意味合いの強い襟付きのシャツですが、普遍のデザインはあなたにとって、お客様にとって素晴らしい選択になるでしょう。一緒に楽しく勉強しましょう。 

技術編 
この章では基本になる採寸から裁断までを勉強します。
採寸は裁断の基礎になるもので、あくまでも正確に行いたいものです。しかし本当に採寸に熟練すると、ほとんど目測で、正しい寸法がわかってくるものです。それでも一応は巻尺をあててみて、目測の正確さを確かめてみます。したがって寸法を採るのでなく、「目測を確かめる」ところまでいくのが本当の意味の採寸です。(ワイシャツ全書 原文より)
製図編
この章では製図の基礎知識を勉強します。 
立体的な人のからだに着せるきものを、平面的な紙の上に図で示す方法として製図法を用います。そしてその製図線通りに紙を裁ち切れば、それが型紙となり、布をその型紙と同じに裁断して、それを合理的に裁縫すれば、最も美しいきものが出来上がるのです。(ワイシャツ全書  原文より)
知識編
この章では被覆の分類や流行について勉強します。
シャツメーカーとしての勉強をするにあたっては、一応被服の全般的な問題について、一通りの常識を持つことが大切です。ことにシャツメーカーの仕事の分野が今日は次第に拡張され、レイジャー・ジャケット、ジャンパー、ドレッシングガウン、シャツブラウスなどの上装被服にまで進み、洋服以外の男子の着もの全部と、婦人ものの一部に及んでいますので、この意味からも、被服全般の知識はどうしても心得ておきたいと思います。(ワイシャツ全書  原文より)
材料編
この章では織物の種類や性能について勉強します。 
被服材料学についての専門書はいくらもありますので、深く研究された い方々は専門書について学んでいただくこととして、この本では被服材料 学の概要を常識として知っていただく程度に止めてあります。また、最近 多く出ている新興織物の取扱いと、その特質については、裁断裁縫の技術 と深く関連しますので、材料学の概念を持っている必要があり、この点か らも、この材料篇を設けました。(ワイシャツ全書  原文より)

村田 金兵衛

自序 

“洋服以外の男子の方の滑るもの”については、婦人子供服に主力を注ぐ洋装学校はもちろん、紳士服を教える洋服学校でも、あるいは一般の服装研究家の間でさえ、これを見逃しているのではないでしょうか。

女子服はとしての用途、とりも数点見えて洒落たところ、あっかに和服を残し与えんとし、男子の生きた話で(洋服としての浴衣などに)きっかけを発見しましたが、洋服以外の男子の方の滑るもの”はさいについて、その研究と指導の必要がようやく要求されてきたように思います。

私がこの方面の仕事に手をつけたのは大正十三年でしたが、その研究に志して十余年の後、昭和二十一年に、或る研究の結果を小冊子にまとめました。そしてその後も引き続いて志を失うことなく、たえず自己流の勉強を進めながら幾年かの間の研究の参考資料とし思い、まさるをあらゆる研究の熱心な勤務に陥っておりましたが、もうあらゆるところに十分されて日本全国の専門家を尋ねて探しましたが、本文中に紹介する Vincent 氏著の“Shirts and Undergarments” 以外には、遺憾ながら一冊の参考書も見当りません。外國の服装雑誌の記載の一部を多少取り扱われることはあつても、どちらも断片的で一貫性なかったのです。もっと小篇発刊以来幾多の取材を受けることに、新界の専門雑誌、婦人雑誌、業界新聞、講談、講演会などに、自分の体験を発表しましたような、かのたことこれらのすべてを整理し、系統的資料を集め、一冊の本にまとめて出して至りました。外國でもこのような本がないということが、私の些かかったこと一つの原因です。この意味で、“洋服以外の男子の滑るもの”は、今日では立派な国際商品高めておりますが、この方面の業者にとって重大であることをよく、本稿の技術書としての使命を先づつくしたいと考えたのです。そのため技術に関連のある服装一般に関する細論とともに、被服材料についても、部門を分けて記述しましたので、多分に“全書”としての役目も果し得るものと信じております。

しかしもとより技術を伝えることが、この本の真の目的なのですから、例えば裁断については胸巾長さ短寸さを仮用して、その原則に遵って詳細に説明し、裁縫法は技能者的な手裁法を採用して完全を期したのです。かの“男子の方の滑るもの”は多分思わぬ事にしてもその結果の集領に遵えて居ますから、自分は自分ならびに報酬を傾けたつもりで、この本が多少なりとも斯界のため役に立てば、本懐の至りと思っています。

ワイシャツ全書
村田金兵衛 著  昭和11